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1A

(1) $ \sin^{-1}$ $ [-\pi/2,\pi/2]\ni
x\mapsto \sin x\in [-1,1]$ の逆関数、 $ \cos^{-1}$ $ [0,\pi]\ni x\mapsto
\cos x\in [-1,1]$ の逆関数であるから、 「逆関数のグラフはもとの関数のグラフを $ y=x$ について折り返したものである」 という事実を用いれば簡単に描ける (特に $ \sin^{-1}$, $ \cos^{-1}$ の 定義域はともに $ [-1,1]$ で、 値域はそれぞれ $ [-\pi/2,\pi/2]$, $ [0,\pi]$ である)。
\includegraphics[width=10cm]{arcsincos.eps}
(この問題で厳しい採点をすると危ないと感じたので、 この問題の配点は低く押さえた。) 授業で導入した逆三角関数はいわゆる主値というやつで、 ふつうの一価関数だが、 この答案には (一つの $ x$ に複数の $ y$ が対応する) 多価関数のグラフを描いてしまった人が多かった。 多価関数として扱う場合もないわけではないが、 その場合は、 何の制限もつけない無限多価関数とするのが普通である。 ところが答案では自分で勝手な範囲に制限して、 (率直に言って) 「変な」解答が多かった。

(2) (繰り返しになるが) $ \sin^{-1}$ の逆は $ f\colon[-\pi/2,\pi/2]\to[-1,1]$, $ f(x)=\sin x$. そこで $ y=\sin^{-1}x$ とおくと、$ x=\sin y$, $ y\in[-pi/2,\pi/2]$ となるので、 $ \cos y\ge 0$ に注意して 1

$\displaystyle \frac{\D x}{\D y}=\cos y=\sqrt{1-\sin^2 y}=\sqrt{1-x^2}.
$

ゆえに

$\displaystyle \left(\sin^{-1} x\right)'=\frac{\D y}{\D x}=
\left(\frac{\D x}{\D y}\right)^{-1}=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}.
$

(3) (これは授業中に二通りの解法を示した。)




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Masashi Katsurada
平成16年8月1日