確率の性質

上の例に出てきた $ P$ は、 $ U$ の任意の部分集合 $ A$ に対して定義される集合関数であり、次の性質を満たす。

  1. 任意の事象 $ A$ に対して $ P(A)\ge 0$.
  2. 任意の排反事象 $ A$, $ B$ に対して $ P(A\cup B)=P(A)+P(B)$.     (このことを確率の加法性あるいは加法定理 7と呼ぶ。)
  3. 全事象の確率は $ 1$ である: $ P(U)=1$.

一般に標本空間 $ U$ のすべての事象 $ A$ に対して、 実数 $ P(A)$ が定まっていて、 $ P$ が上の 3 つの性質を持つとき、 $ P$$ U$ の上の確率測度と呼び、 $ U$$ P$ を組にしたものを 確率空間 $ (U,P)$ という。 また、事象$ A$ に対して $ P(A)$ を事象 $ A$確率 と呼ぶ。


\begin{jremark}[無限試行の場合]\upshape
集合 $U$ 上の $\sigma$ 加...
...りつくうかん@確率空間}
(probability space) という。
\end{jremark}


\begin{jproposition}\upshape
$A$, $B$, $C$ どの二つの事象も互いに...
...とき、$\dsp P(\bigcup_{i=1}^n A_i)=\sum_{i=1}^n P(A_i)$.)
\end{jproposition}


Subsections

桂田 祐史