懸案の問題を片付けよう。
の基底
,
,
を、最初の
個
,
,
が
の基底になるように取る。
これに Gram-Schmidt の正規直交化を施して、
正規直交基底
,
,
を作ると、
であるから、
,
,
は
の正規直交基底になる。このとき実は
となることはほぼ明らかである。実際、任意の
は
と展開できるが、
であるので、
ならば
.
つまり
.
逆の
も簡単。
これで懸案だった
(2.4) |
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の証明が完結する。妙にてこずったように思われるかもしれないが、
実は無限次元の内積空間の場合には、
(5.3) は一般には成り立たない事実なのである。
桂田 祐史
2017-04-30