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3.3 コンピューターで「解く」とは

コンピューターで方程式を扱う場合、 コンピューターならではのやり方があります。 有限回の計算で真の解 (無限精度の解, 「厳密解」 (exact solution) と呼ぶ場合が多い) を求めることはあきらめて、 真の解を求めるには無限回の演算が必要になるけれど、 有限の要求精度を持つ「解」 (近似解というべきでしょう) はそこそこの回数の基本的な演算 (四則演算) で求まるような方法を採用する、というものです。 従って、アルゴリズムは大抵の場合、繰り返しのあるものになります。

コンピューターによる方程式の数値解法は「繰り返し」が鍵
  1. 線型方程式 (1次方程式) でも、 未知関数の個数 $ N$ が非常に大きい問題の解法には、反復計算が使われます。
    例えば $ N=10^8$ (原子炉圧力容器の構造計算とか4) のとき、消去法計算は無理です。
  2. 非線型方程式の場合、 問題の自由度が低くても反復計算になる場合がほとんどです。
    1. 有限回の四則では exact (厳密) に解けない問題がほとんど。
    2. 「反復法」で多くの問題が解ける。
      すなわち、真の解 $ x^*$ をある列 $ \{x_n\}$ の極限としてとらえ ( $ \dsp\lim_{n\to\infty}x_n=x^*$ )、 十分大きな $ n$ に対して $ x_n$ $ x^*$ の近似として採用する。近似解ではあるが、 コンピューターで数値計算する限り、 有限精度であることは避けられないので、 exact な方法 (もしそれがあったとして) とほとんど差がない5


\begin{jexample}
$x^3-4x^2+3x+4=0$\ の実数解を求めよ、
という問題...
...算する方が簡単である可能性が高いで
す。 \qed
\end{jexample}


\begin{jremark}
ここで紹介するのは近似計算であり、
近似計...
... (\textbf{精度保証付き数値計算})。
\qed
\end{enumerate}\end{jremark}


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桂田 祐史
2012-05-16