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5.1.2.3 問題8-1
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5.1.2 平衡点と線形化
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5.1.2.1 例題8-1
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ちょっと詳しく解説
なんでヤコビ行列なんかが出て来るのか、不思議に感じる人がいるかも知れ ません。高校数学を思い出すと、「微分する=接線の傾きを求める(接線を引 く)」、という幾何学的理解が有効でした。接線の傾きを知るだけで結構色々 なこと (関数がそこの近くで
の増加にともない増加しているのか、減少 しているのか、極値となっているか等)が分かるということでした。曲線
の点
における接線
とは、
の近く で、
を1次式で近似したもの、ということです(というか、そういうふうに 解釈するのが、微分法の現代的な見方です)。大学の数学では、話が多次元に なってしまって、微分することの意味が少し見え難くなりましたが、「微分す るとは1次式で近似することだ」という認識は有効です。多次元の場合の1次式 とは
(
は行列、
,
はベクトルで、
は行列とベクトルの かけ算を表す)の形の式のことです。つまり
を点
で微分して、微 分係数(ヤコビ行列)が
になったということは、
と考えられる、ということだったわけですね。
の近くでは、
という1次式を調べるだけで、色々分かる、ということです。
桂田 祐史