微分方程式は、他の諸科学への応用のみならず5、 数学それ自体にとっても非常に重要です6。 ところが困ったことに、微分方程式は大抵の場合に、 良く知られている関数で解を表現することが出来ません。 これは解が存在しないということではありません。 解はほとんどいつでも存在するけれども、それを簡単な演算 (不定積分を取る、四則演算、逆関数を取る、初等関数に代入するなど) で求める -- いわゆる求積法で解く -- ことは、 よほど特殊な問題でない限り出来ない、ということです。
この困った状況をある程度解決するのが、解を数値的に求める方法です。 この情報処理 II では、いくつかの基本的な数値解法を学んで、 実際に常微分方程式を解いてみます。 これはコンピューターによる数値シミュレーション7の典型例と呼べるものですし、 マスターしておくと役に立ちます。