 を実正則行列とするとき、
実直交行列
 を実正則行列とするとき、
実直交行列  と、上三角行列
 と、上三角行列  で
 で
 
を満たすものが存在する。特に
 の対角成分は正であるように取ることができ、
そういうものに限ると分解は一意的である。
これを
 の対角成分は正であるように取ることができ、
そういうものに限ると分解は一意的である。
これを  の QR 分解と呼ぶ22。
 の QR 分解と呼ぶ22。
 とするとき、
 とするとき、 ,
,  ,
,  から、
Gram-Schmidt の直交化を行って正規直交基底
 から、
Gram-Schmidt の直交化を行って正規直交基底  ,
,  ,
,  を作る
計算は、
 を作る
計算は、 の QR 分解を求めていることになる。
 の QR 分解を求めていることになる。
しかし QR 分解を求める場合、 この素朴な Gram-Schmidt の直交化法を 適用することはない23。
LU 分解と同様に QR 分解があれば連立1次方程式は簡単に解ける。
例えば  を解きたいときに、
 を解きたいときに、 という QR 分解が得られたとしよ
う。
 という QR 分解が得られたとしよ
う。
 
であるから、
 の計算は簡単である (つまり、
実直交行列の逆行列はもとの行列の転置行列に他ならないから、
計算するまでもなく分かっているわけ)。
 の計算は簡単である (つまり、
実直交行列の逆行列はもとの行列の転置行列に他ならないから、
計算するまでもなく分かっているわけ)。
桂田 祐史 
2017-06-19