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以上が Riesz の表現定理 (の 版) だが、 率直に言って、 この定理は で考えると明らかすぎてアホらしい。 実際、 とすると、
ということだから、
と、 の成分は簡単に求まる。 しかし、 一般の場合にはこの証明は成立せず、 逆に一般の場合に成立する証明は以下に見るように大変明快であるので、 ここで見ておくことは無駄ではないと思う。
は平面 の法線ベクトルであることに注意しよう。 射影定理を使えば の法線ベクトル を作ることができる。 直感的に と が平行であることがわかるので、 となる が存在するはずだが、 この は簡単に求まる。実際、 に を代入すると
であるから
それゆえ、後は
が成り立つことをチェックするだけである。
の場合は明らか ( でよい)。 とする。
とおくと、これは の線型部分空間であり、 . 任意の を取って固定し、 の への直交射影を として、
とおく。 かつ である。 に対して
とおくと、
であるから . ゆえに と なるが、
であるから、
すなわち
ゆえに
と置けばよい。
桂田 祐史