正規直交基底を用いて正射影の存在を証明しよう。 つまり解きかけだった例題 2 を解決することになる。
| ![\begin{jproposition}[正射影の存在, 射影定理 (projection theorem)]
$V$...
...}
y=\sum_{j=1}^m (x,v_j)v_j
\end{displaymath}と書ける。
\end{jproposition}](img27.gif)  | 
 の任意の正規直交基底
 の任意の正規直交基底  ,
,  ,
,  を一つ取る。
 を一つ取る。
 の
 の  への正射影
 への正射影  が存在したとすると、それは
 が存在したとすると、それは
 の線型結合で書けるはずである:
 の線型結合で書けるはずである:
 も、
 も、 を用いて
 を用いて
 
    
と表わせる。これは
 
    
ということだが、(2.3) から
 
であるから
 
    
と同値である。よって、
 
が求める直交射影である。
 
 の
 の  への正射影を
 への正射影を  とするとき、
 とするとき、 とおくと、
 とおくと、
 
が成り立つ。このような分解は一意的である。すなわち
 
とすると
 and
   and 
実際
 より
 より
 
でこれは
 に属するので 0
 だから。
この事実を
 に属するので 0
 だから。
この事実を
 
と表わす (もう少していねいに!)。
桂田 祐史