を自然数とするとき、
,
に対して
|
(2.1) |
 |
とおき、この
を
と
の内積と呼ぶのであった。
次の命題の証明は明らかである。
我々は後で上の (1), (2), (3) を満たす
を
一般に内積と呼ぶことになる。
つまり内積の概念を一般化するので、
(2.1) で定義される
のことを
の標準内積または Euclid 内積と呼ぶことにする。
が成り立つことに注意しておくと便利である。
例えば行列の積に関する結合則と、
公式
から
が分かる。
ゆえに
が実対称行列のとき
が成り立つことが分かるが、
実は逆も成り立つ。
(i)
(ii) は済んでいる。(ii)
(i) を示す。
仮定から
に対して
であるが、
上で見たように
であるから、
これが任意の
について成り立つことから
が導かれる
(実際
であるから、
と選べば
)。
これが任意の
について成り立つことから
.
有名な Schwarz の不等式は、何と言っても基本的である。
(印象的ではあるが、幾何学的イメージの湧きにくい証明)
と
が
次独立ならば、任意の実数
に対して
.
ゆえに
左辺を展開して
についての
次式の符号が一定であることから
ゆえに
一方、
と
が一従属であるとき、
が成り立つこ
とを確かめるのは容易である。
桂田 祐史
2017-04-30