A. メモ

有理型関数の周期全体のなす集合は、加法群 $ \mathbb{C}$の部分群である。

加法群 $ \mathbb{C}$ の部分群は次の3通り。 (i) $ \Omega=0$    (ii) $ \Omega$$ 1$個の元で生成される。 (iii) $ \Omega$$ 2$個の元で生成されるが、$ 1$個の元では生成されない。 (H.C.)

$ \omega$, $ \omega$ $ \mathbb{R}$ 上線形独立 $ \Iff$ $ \omega/\omega'\in\mathbb{C}\setminus\mathbb{R}$.

楕円関数を表示するのに、(i)級数で表示する(部分分数展開?)、 (ii)整関数の商として表示する、2通りのやり方がある。 後者は例えばテータ関数を用いる。 有理型関数は局所的には正則関数の商に書けているが、 これから $ \mathbb{C}$全体で整関数の商に書けることを示すのは、 いわゆる Cousin の問題になり、 層係数コホモロジーの理論を使うと分かりやすい。

$ \mathbb{C}/\Omega$ は Riemann面 (1次元複素多様体) である。 $ \mathbb{C}/\Omega$ はコンパクトであり、種数 (直感的には穴の数) は$ 1$である (2次元トーラスに同相だから)。 逆に種数$ 1$のコンパクトRiemann面は、 適当な $ \Omega$ に対して $ \mathbb{C}/\Omega$ と書ける。

種数$ 1$のコンパクトRiemann面のことを楕円曲線と呼ぶ。



桂田 祐史