25 LATEX の enumerate 環境の拡張 (enumerate.sty vs. enumitem.sty)

LATEX の enumerate 環境は、LATEX を使っていると空気のような存在である。 ここ何年か enumerate.sty を使ってきた。

つまりプリアンブルに
\usepackage{enumerate}
としておいて、
\begin{enumerate}[(1)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが (1), (2), (3), $ \dots$ となり、
\begin{enumerate}[a)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが a), b), c), $ \dots$ となり、
\begin{enumerate}[(i)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが (i), (ii), (iii), $ \dots$ となる。

大文字バージョン (つまり A), B), $ \dots$ とか (I), (II), $ \dots$) もできる。


ところで、フォントを bold face にしようと考えて
\begin{enumerate}[\textbf{(a)}]
..
\end{enumerate}
としても、うまく行かない。


まあ、そういうものかと思っていたが、それを可能にするパッケージ enumitem がある、ということを知った。


enumerate パッケージはもう勧められない、enumitem パッケージを使うべきだ、 と言う人達がいる。

どうなんだろう (自分の用が足りて、障害を起こさないなら、 古くからあるものでいいじゃん、と言う気持ちがある)。まあ、 とりあえずはお試しだ。

\begin{enumerate}[label=(\arabic*)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが (1), (2), (3), $ \dots$ となり、
\begin{enumerate}[label=alph*)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが a), b), c), $ \dots$ となり、
\begin{enumerate}[label=(\roman*)]
\end{enumerate}
とすれば、ラベルが (i), (ii), (iii), $ \dots$ となる。

つまり、

おまじない label= も忘れずに、と言うことか。


良きに計らってくれなくて、 ちゃんとした仕方で指定する必要があるわけで、面倒だけれど、 その分融通が効いて
\begin{enumerate}[label=(\textbf{\alph*})]
\end{enumerate}
のようにして (a), (b), (c), $ \dots$ が実現できる。

enumerate と enumitem の併用が出来ないので、 既存の文書では、気軽に乗り換えられないなあ。 互換性があればよかったんだけど。 でも新規に書く文書では使うかもしれない。



桂田 祐史