コンピューターで数値計算をして (有限次元の) 方程式を解く方法について学びます1。 厳密解を求めることにすると、 線形方程式以外は例外的な状況をのぞいて解けない 2。 しかし、有限精度の解 (近似解) で満足することにすれば、 かなり多くの方程式が「解け」ます。
ここでは二分法 (the bisection method) と ニュートン法 (Newton's method, the Newton-Raphson method) を 取り上げます。 これらは解析学の学習とも深い関係があります。 二分法は中間値の定理の区間縮小法による証明 (中間値の定理はいわゆる「存在定理」ですが、 この証明は解を計算する方法を与えているという意味で、 「構成的な」証明であると言えるでしょう) そのものであると考えられます。 また Newton 法は陰関数の定理や逆関数の定理の証明に用いることも出来ますし、 実際に陰関数・逆関数の計算に利用することも出来ます。