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定理が使えない例

$ f'(a)=0$ で、$ H(a)$ が正値でも負値でも不定符号でもない場合は、 定理は何も言ってくれない。

$ f(x,y)=x^4+y^4$, $ a=(0,0)$ のとき、$ f'(a)=0$,

$\displaystyle H(a)
=\begin{pmatrix}
0 & 0 \\
0 & 0
\end{pmatrix}$

である。このとき $ (x,y)\ne (0,0)$ ならば

$\displaystyle f(x,y)=x^2+y^2>0=f(0,0)
$

であるから、$ f$$ a$ で狭義の極小である。

$ f(x,y)=x^2-y^4$, $ a=(0,0)$ のとき、$ f'(a)=0$,

$\displaystyle H(a)
=\begin{pmatrix}
2 & 0 \\
0 & 0
\end{pmatrix}$

である。このとき $ \forall\eps\ne 0$ に対して、

$\displaystyle f(\eps,0)=\eps^2>0=f(0,0),\quad
f(0,\eps)=-\eps^4<0=f(0,0)
$

であるから、$ f$$ a$ で極値を取らない。

(準備中)


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Masashi Katsurada
平成23年7月21日