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C..1 固有値計算作戦

固有多項式 $ \varphi(\lambda):=\det(\lambda I-A)$ を計算して、 その根を求める。 $ n=2$ のときは2次方程式の解の公式で計算可能である。実際、 $ A=\begin{pmatrix}a&b b&c\end{pmatrix}$ のとき、

$\displaystyle \det\left(\lambda I-A\right)=\lambda^2-t \lambda+D,\quad
t:=a+b,\quad D:=ad-bc
$

であるから、

$\displaystyle \lambda=\frac{t\pm\sqrt{t^2-4D}}{2}.
$

しかし $ n\ge 3$ になると困難が生じる。 $ n=3$ であっても、いわゆる不還元の場合には、 解が虚数の3乗根を含む形で表されることになる (もちろん、 微積分を使えば何とか処理できるが)。


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Masashi Katsurada
平成23年7月21日