実対称行列 が正値であるとは、 定義によれば の固有値がすべて 0 であることだが、 の特性方程式 の解がすべて正であることと同値である。 残念ながら特性方程式は解くのが大変な場合が多く、 次方程式の場合で既に難しい。
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連立1次方程式の解法に、 「Gauss の消去法」と呼ばれるものがある。 数学の授業では習わないかも知れないが、 コンピューター関係の授業ではしばしば紹介される (A 節を見よ)。 この方法の前半部分は行列の変形を行うが、 それを対称行列の符号の判定に利用できる。
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実は、Gauss の消去法は、平方完成と関係がある。 実対称行列 を係数とする2次形式を、 (係数)(多項式) の和の形に変形したときの、 係数が Gauss の消去法で得られた上三角行列の対角成分となっている。 証明はしないが、例を見てもらおう。
与えられた行列が正値か、負値か、不定符号か、あるいはそのいずれでもないか、 判定する必要が生じることがある。