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1 対称行列の符号の判定


\begin{jexample}[2次元の場合の$2$次形式の簡単な例]\quad
$\vec x=\begin{pmatrix}...
... 0$)}
\end{displaymath}は正負両方の値をとる。 \qed
\end{enumerate}\end{jexample}

実対称行列 $ A$ が正値であるとは、 定義によれば $ A$ の固有値がすべて 0 であることだが、 $ A$ の特性方程式 $ \det
\left(\lambda I-A\right)=0$ の解がすべて正であることと同値である。 残念ながら特性方程式は解くのが大変な場合が多く、 $ 3$ 次方程式の場合で既に難しい。


\begin{jtheorem}[首座小行列式の符号による正値性、負値性の判定]
$n$ 次実対称行..
...$, $\det A_n$ 、ホノ荵讀ャ
ク゜、ヒノ正,負,正,$\dots$)
\end{enumerate}\end{jtheorem}

Proof. (線形代数の本を見よ。) $ \qedsymbol$ ARRAY(0xff08a4) $ \qedsymbol$


連立1次方程式の解法に、 「Gauss の消去法」と呼ばれるものがある。 数学の授業では習わないかも知れないが、 コンピューター関係の授業ではしばしば紹介される (A 節を見よ)。 この方法の前半部分は行列の変形を行うが、 それを対称行列の符号の判定に利用できる。


\begin{jtheorem}[Gaussの消去法による正値性、負値性の判定法]
$n$ 次実対称行列 $...
...三角行列に変形され、その対角成分がすべて負となる。
\end{enumerate}\end{jtheorem}

Proof. (あまりストレートに書いていないので、 この定理の証明だけが欲しい人には強く勧められないが、 桂田 [1] にはとりあえず書いてある。) $ \qedsymbol$ ARRAY(0xff08bc) $ \qedsymbol$

実は、Gauss の消去法は、平方完成と関係がある。 実対称行列 $ A$ を係数とする2次形式を、 (係数)$ \times$(多項式)$ ^2$ の和の形に変形したときの、 係数が Gauss の消去法で得られた上三角行列の対角成分となっている。 証明はしないが、例を見てもらおう。


\begin{jexample}
\begin{displaymath}
A=\begin{pmatrix}
1&0&2\\
0&1&2\\
2&2...
...
やはり上の Gauss の消去法の結果の対角成分として現れている。 \qed
\end{jexample}

与えられた行列が正値か、負値か、不定符号か、あるいはそのいずれでもないか、 判定する必要が生じることがある。


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Masashi Katsurada
平成23年7月21日