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前回を振り返る

前回、多変数関数の全微分可能性、偏微分可能性、 $ C^1$ 級等の条件の間の関係を調べた。ここで振り返ってみよう。

まず、1変数関数の場合は非常に簡単である (要点は「微分可能ならば連続」くらいで、証明も高校数学)。

1変数関数の場合

   $ C^1$$\displaystyle \qquad\Then$   微分可能$\displaystyle \qquad\Then$   連続

($ C^1$級とは、微分可能かつ導関数が連続なことであるから、 左の $ \Then$ は明らかである。 右の $ \Then$ は高校数学である。)

多変数関数の場合は、微分に(大きく分けて)二つの概念があり、 $ C^1$級の概念もやや覚えにくい (実際、勘違いして覚えている人がかなり多い)。

多変数関数の場合

$\displaystyle \begin{array}{lllll}
\text{$C^1$級} \qquad\Then\qquad\text{微分可...
...c]{-30}{$\Longrightarrow$}\ [-2ex]
&&\text{各変数につき偏微分可能}
\end{array}$

($ C^1$ 級とは、 各変数につき偏微分可能かつすべての1階偏導関数ともとの関数自身が連続という ことである。一番左の $ \Then$ も明らかではない。 右の $ \Then$ は1変数の場合と本質的に同じ。 $ \rotatebox[origin=c]{-30}
{$\Longrightarrow$}$ は1変数関数にはなかったもので重要。)


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Masashi Katsurada
平成23年6月5日