前回、次の定理を紹介したが、証明はまだ与えていなかった。
![]() |
(![]() |
![]() |
![]() |
![]() | |
![]() |
(再掲 ![]() |
![]() |
この定理によって、
が全微分可能であるとき、
その全微分係数は偏微分することで求められることが分かった。
偏微分は本質的に1変数関数の世界の話であるから、簡単に実行できることが多い。
与えられた関数が全微分であることがどうしたら分かるか?というのが問題になるが、 これについては次の定理が有用である。
![]() |
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() | |
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
が開集合であるから、
s.t.
任意の
,
に対して、
![]() |
![]() | |
![]() | ||
![]() | ||
![]() | ||
![]() | ||
![]() |
ゆえに、三角不等式と、
(
) であることを用いると、
この定理の仮定は、 が
級であることとしたが、
がすべての1階偏導関数を持ち、
それらが連続であることしか上の証明では用いていない。
つまり
の連続性は用いていないが、全微分可能であることが示されたので、
定理 0.1 によって、
は連続である。
ゆえに次のことが分かった。
![]() |
これから、関数の1階偏導関数をすべて求めて (これは容易な場合が多い)、 それらが連続関数であることが確められれば、 その関数が全微分可能であることが分かる。 これは与えられた関数が全微分可能であることの強力な確認手段である。