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偏微分の順序交換

$ f$$ C^2$ 級であるとき、

(1) $\displaystyle \forall i,j\quad \frac{\rd^2 f}{\rd x_i\rd x_j}=\frac{\rd^2 f}{\rd x_j\rd x_i}$

であることを述べたが、 実は $ f$ が2回全微分可能であるだけで2、 (1) が成立する。 一方、超関数3の世界では、 つねに (1) が成立する。 応用上現れるほとんどの場合に、偏微分の順序交換が成立する。

しかし、つねに (1) が成立するわけではない。


\begin{jexample}[偏微分の順序交換が成立しない関数, Peano の例]
\begin{displaymat...
...in{displaymath}
f_{yx}(0,0)=1
\end{displaymath}が得られる。 \qed
\end{jexample}


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Masashi Katsurada
平成23年6月2日