1.6 補足

$ f\colon\mathbb{R}\to\mathbb{C}$ が連続かつ区分的に $ C^1$ 級, 周期 $ 2\pi$ の関数のとき、

$\displaystyle A_n=\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f'(x)\cos nx\;\Dx,\quad
B_n=\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f'(x)\sin nx\;\Dx
$

とおくと (要するに $ f'$ の Fourier 係数)、部分積分などを行って

$\displaystyle A_0=0,\quad a_n=-\frac{1}{n}B_n,\quad b_n=\frac{1}{n}A_n$   ( $ n\in\mathbb{N}$)

が得られる。ただし $ a_n$, $ b_n$$ f$ の Fourier 係数とする。

ゆえに

$\displaystyle S[f'](x)=\sum_{n=1}^\infty (n b_n\cos nx-n a_n\sin nx).
$

これを

$\displaystyle S[f](x)=\sum_{n=1}^\infty\left(a_n\cos nx+b_n\sin nx\right)
$

と見比べると、項別微分が成り立っていることが分かる。



桂田 祐史