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微分積分学2
9月28日の演習の解説
桂田 祐史
Date: 2006年10月5日
(テキストの問題の詳しい解答を配布することは出来ないので、
要所要所を説明するに止める。)
2次元閉区間上の重積分
がテーマである。これに対しては、次の公式がある。
どちらの変数で先に積分するのがよいかはケース・バイ・ケースで、
やってみないと分からない。
もしも
のように、
だけの関数と
だけの関数の
積に分解される場合は、
(☆) |
![$\displaystyle \dint_{[a,b]\times[c,d]}f(x,y)\;\D x\,\D y =\left(\int_a^b F(x)\;\Dx\right) \left(\int_c^d G(y)\;\Dy\right)$](img6.png) |
と 1 変数の問題に帰着される。
よく知っているはずの公式だけど結構間違えるので一言 |
という公式は、
(i) 指数 に を足す、
(ii) 微分して元に戻るように
をかける、
と覚えることを勧める。
少なくとも結果を目で微分して元に戻ることをこころがけよう。
また次も忘れずに。
(
) |
 |
|
最初の (1), (2) は (☆) タイプ。
- (1)
の原始関数は
であるが、
は覚えても良いかもしれない。
- (2)
- これは基礎数学3で学んだ
を用いる。この式自身を暗記してもよいし、
と置換すること1を覚えても良い。
逆三角関数
の値を求めるには、次が基本である
(これから
が分かる)。

かつ
- (3)
-
と変形して積分するのも案外簡単である
((☆) タイプになる)。
一方、(
) を用いると、
これを
から
まで積分するのにも、同様のことをすればよい。
- (4)
-
に気が付けば、後は (
) 2回。
- (5)
であるから、
.
また
である。
- (6)
- これは
と
がまったく非対称なので、
先にどちらで積分するか問題になる。
見通しをつけるには、
とおいた
と、
とおいた
とを見比べるとよい。
前者は置換積分、後者は部分積分と見通しがつく。
最後は計算を進めてみないと分からないが、
後者 (先に
で積分する方) は後がかなり面倒な計算になる。
とおく (
を
で置換する) と、
,
のとき
,
のとき
であるから、
先に
で積分すると、
となり、
ちょっと困る。
- (7)
- どちらの変数で先に積分するか見極めるために、
,
を代入すると、
それぞれ
,
となる。
前者 (
で先に積分する) の方が楽そうなので、
そちらから始めてみる。
とおく (
を
で置換) と、
,
のとき
,
のとき
ゆえ、
求める積分は、
となるが、
,
なので、値は
.
ちなみに、もし先に
で積分すると…ものすごく面倒になる。
(以上)
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Masashi Katsurada
平成18年10月5日