この文書では、
階正規形の常微分方程式の初期値問題に対する数値解法を扱う。すなわち
は与えられているとする。
微分方程式の解は関数であり、 これは関数空間の要素としてとらえるのが (現代の数学では) 普通である。 (大抵の場合、関数空間は無限次元空間で、問題を難しくしている。)
微分方程式は解析的1に解けないことが多い。たとえ解けても便利でないことがある2。
近似解法では、解の有限的な近似表現を求める。具体的には、
残念ながら
この講義では、基礎概念を簡単に説明した後で、
最近 (2004年2月)、面白い本が出版された。 三井・小藤・齊藤 [17] である。 第2章「ハミルトン系の解法」, 第3章「遅延微分方程式の解法」, 第2章「確率微分方程式の解法」と章の名前を見れば一目瞭然、 現在盛んに研究されている分野への入門ができる (ヒットだと思う)。
(「最近」が7年前か…)
定番本の翻訳が出た。
ハイラー・ネルセット・ヴァンナー
[3]
と
ハイラー・ヴァンナー
[4] である。
現時点での決定版か。