2.2 目的とする問題

常微分方程式の初期値問題

(1) $\displaystyle \Dfrac{\D x}{\D t}$ $\displaystyle = f(t,x)$
(2) $\displaystyle x(a)$ $\displaystyle = x_0$

を考える1。つまり $ f$, $ a$, $ x_0$ が与えられたとき、 (1), (2) を満たす 未知関数関数 $ x=x(t)$ を求める、ということである。

詳しく言うと、

この問題に対して、解の存在一意性などの基本的なこ とは十分に分かっていると言って良い (これについては、大抵の常微分方程式 の数学科向けのテキストに解説がある)。

一方、この問題は、特別な $ f$ に対してしか、具体的に解けないことが良 く知られている。例えば三体問題は歴史上重要なものとして精力的 に研究されたが、結局求積法では解けないことが証明された。

そこで、数値解法の出番となる。



桂田 祐史