いわゆる Cardano の方法がある2.1。
かつてはこの方法は数値計算には向かないと考えられていたが (例えば
森口 [18])、
最近では見直されているそうである (「特に 実根 複素根を持つ
実3次方程式の標準算法として見直されてきている」 -- 一松 [19])。
まず
を
と置き換えて、
(2.1) |
|
に変換する。次に
とすると、(2.1) は
となる。ゆえに
(2.2) |
|
を解けば , を得る。実行すると
ここで場合わけをする。
- もし
ならば、(2.2) は 実根
を持つ。その三乗根 (実数!) から
- ならば、 の計算には、複素数の 乗根を要する。
注意すべきは
であるから、
を求める
ごとに対応する
を
で定める。これらを数値計算するには極座標に直して計算すればよい。
この場合は、代数方程式は 3 実根を持つが、それは実数の四則と
累乗根だけでは求められないことが証明されている (不還元の
場合と呼ばれる)。
Subsections
桂田 祐史