3 畳み込みを利用した証明
(これは古いテキストに載せていたものである。)
一般の に対して、非同次方程式
(7) |
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の特解を求めるには、
(1) Laplace 変換を利用する方法,
(2) 定数変化法など色々な方法があるが、
ここでは初期値問題の Green 関数を用いる方法を紹介する。
この定理に現れた関数 のことを
微分方程式 (7) の
初期値問題の Green 関数とよぶ。
畳み込みを用いると、
上の (9) の は と書けることが分かる。
畳み込みは上の定理の証明にも活躍する。
そのために少し準備しよう。
(1) は簡単であるので省略する。
(2), (3) は演習問題とする。
(4) は以下の議論に必要がないので省略する3。
定理の証明に入る前に、
定数係数階線型微分方程式の初期値問題
の解は
であることを思い出しておく。畳み込みを用いると
とも書ける。
定理
,
とおく。
が
を満たすとするとき、
とおくと、
であるから、上に書いた注意より
ところで
であるから、. ゆえに
ゆえに
とおくと、 となる。
以下 を具体的に計算して求めよう。
の場合は
一方、
の場合は、
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桂田 祐史