と書けるので、直交性の条件
から連立1次方程式
Schwarz の不等式の等号成立条件を吟味すると、 この連立1次方程式の係数行列は正則であることが分かるが 2.2、 , は複雑な式になってしまう。 しかし、実はうまい解決策がある。 それは後のお楽しみ (Gram-Schmidt の正規直交化を導入してから)。
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実はより一般の部分集合 への正射影も定義できるが、それについては後述 する。
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ゆえに
これから
[(ii) (i)] を任意にとり、 を
で定める。 であるから、仮定より は 0 で最小になる。 ゆえに であるが、
であるから、
これが任意の に対して成り立つと 言うことは を意味している。
例題 1 の内容を命題としてまとめておこう。
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この 次元部分空間への正射影を用いると、 Schwarz の不等式の別証明を得る。 個人的には Schwarz の不等式の意味がよく分かる証明だと思っている。
桂田 祐史