52 otfパッケージの利用 (JIS第3水準の文字をLATEX 文書で使う)

(このページに書いてある内容は古く、ほとんど無駄です。 次のセクションを見て下さい。)

LATEX 文書で、「銈」 という文字を使いたくなった (岩波数学公式の著者「宇田川銈久」を書くため -- アマゾンでは化けてますね)。 これは JIS 第3水準に含まれる (JIS 第1, 第2水準に含まれない) 文字なので、 一工夫が必要である。 以前

TEX 文書へのある漢字の入力 (otfパッケージの利用)
で書いたように、OTFパッケージを使うには
\usepackage{otf}
としておいて、\UTF{} コマンドの引数に文字の 16進4桁の Unicode 番号を書けば良い。今の場合は
 \UTF{9288}
(9288 は「銈」の16進4桁のUnicode番号である。)

その番号はどうやって調べる? 幸い、銈という字のあるWWWページを見つけられたので、 検索エンジンにコピペして

https://moji.tekkai.com/zoom/%E9%8A%88/page.html
というページに行き着き、コードを調べることが出来た。

今回のように1文字だけなら、こういう具合に調べれば良いけれど、 数が増えると大変だ。 文字コードを調べるのはサボるようにすべきだ。

実は今回、 utf8toutf という角藤氏作成の変換ツールを久しぶりに掘り出して使ってみた。
$ cat testutf0.tex
\documentclass{jarticle}
\usepackage{otf}
\begin{document}
銈
\end{document}
$ utf8toutf testutf0.tex
\documentclass{jarticle}
\usepackage{otf}
\begin{document}
\UTF{9288}%
\end{document}
$
なかなか便利。ところが utf8toutf は現在ネットでは入手出来ない。なぜだろう? 使用が推奨されていない?

Unicode を使う必要があるならば、 もう upLaTeX を使いなさい、ということかな? 久しぶりに試してみるか。

testutf.tex
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\usepackage[uplatex,jis2004]{otf}
\begin{document}
銈
\end{document}
uplatex testutf.tex
dvipdfmx testutf.dvi

無事動いた。乗り換えを検討するのかなあ? (イマイチ踏ん切りがつかない)


実は説明が面倒なのでサボるが、 verbatim環境の中で Unicode を用いないと表示出来ない文字を使う場合は \safecaret コマンドを使う必要がある。
\usepackage{pxbase} % \safecaret を使うのに必要
\usepackage[bxutf8]{inputenc}
\usepackage{otf}
\safecaret
参考: http://zrbabbler.sp.land.to/unichar.html

桂田 祐史
2020-04-05