7.3 例2: 数列

うっかりする人がいるかもしれないが、 数列というのは、変数が自然数 (あるいは整数) の関数である。

次の例では、

$\displaystyle a_0=1,\quad a_1=1,\quad
a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}$   $\displaystyle \mbox{($n\ge 2$)}$

で定義される Fibonacci 数列を 第 100 項まで表示している。

a[0]=1;a[1]=1
a[n_]:=a[n]=a[n-1]+a[n-2]               ここまで (2行) が関数定義

a[10]                                   a[10] を計算して結果を表示
??a                                     a の中身を見る
Table[a[n],{n,100}]                     a[1],...,a[100] を表示

(細かい工夫であるが…) 2行目は、 単に a[n_]:=a[n-1]+a[n-2] としても正しく計算する関数になるが、 計算の効率が非常に低い。 a[n_]:=a[n]=a[n-1]+a[n-2]] とすることによって、 計算結果を記憶しておくと、効率が向上する。

a[-1] を計算させようとすると、 以前のMathematicaでは暴走した。
最近では滅多に暴走しなくなったが、 万一暴走させた (あるいは計算がなかなか終らない) 場合は、 [評価] → [評価を放棄(A)] で強制終了させる (英語では [Kernel]→[Abort Evaluation(A)])

この例では、遅延評価 := を使うことが必須である (a[n_]=a[n]=a[n-1]+a[n-2] は通らないし、 a[n_]=a[n-1]+a[n-2] では遅くて使い物にならない)。

また、(当然のことであるが) 0以上の整数でないものを引数に与えると (暴走はしなくなったが) 再起呼び出しが止まらず、 エラーになる。



桂田 祐史