D..7.1 Mathematicaでやってみる

出題者の意向は、 授業で説明した主座小行列式の符号から判定する方法を使ってもらう、 ということである。
In[1] := a={{1,2,3},{2,2,0},{3,0,3}}
In[2] := p[n_]:=Take[a,n,n]
In[3] := Table[MatrixForm[p[i]],{i,1,3}]
In[4] := Table[Det[p[i]],{i,1,3}]
an 次の主座小行列を Take[a,n,n] で求めるのが気づきにくいかもしれない。 最後の結果だけ欲しければ、
In[2] := Table[Det[Take[a,i,i]], {i,1,3}]
とすれば良い。

$\displaystyle \det A_1=1,\quad
\det A_2=-2,\quad
\det A_3=-24.
$

$ \det A_3<0$ より、$ A$ の 3つの固有値の積が負であるから、 $ A$ の固有値は、 「負が3つ」か「正2つ、負1つ」のどちらかである。 前者であれば $ A$ が負値で、 その場合 $ \det A_k$$ k=1,2,3$ の順に、負、正、負となるはずであるが、 そうなっていない。 ゆえに$ A$ の固有値は「正2つ、負1つ」であり、正負いずれも存在することから、 $ A$ は 不定符号である。

なお、
In[5] := Eigenvalues[a]
としてもRoot[ $ 24-2\sharp1-6\sharp1^2+\sharp^3$&,1] の ような結果が返ってきて、N[%] で近似値を得ることは出来るが、 厳密な結果を得るのはそう簡単ではない。行列の特性多項式を調べてみよう。
In[6] := f[L_]:=Det[L*IdentityMatrix[3]-a]
In[7] := Plot[f[x],{x,-2.2,6}]

\includegraphics[width=10cm]{eps/graphP5.eps}
これが分かれば、中間値の定理を利用して、簡単かつ厳密な証明が可能である ( $ f(-2)=-4<0$, $ f(0)=24>0$, $ f(4)=-16<0$, $ f(6)=12>0$)。



桂田 祐史