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5.11 結果の簡単化

計算結果が自分の望んでいる形に表されないことがしばしばあります。 まず Simplify[] という関数を覚えておきましょう。 結果が複雑だったら、取りあえず Simplify[%] として、 「直前の結果の簡単化」を試みるのが良いでしょう (変わらないことも多いですが)。

ちなみに、通分は Together[], 因数分解は Factor[], 分数式の約分11Cancel[], 展開は Expand[] です。例えば
色々な式変形
y=1/(x^2-1)  
Apart[y] 部分分数への分解
Together[%] 通分
Simplify[%] とりあえず簡単化
Factor[%] 因数分解
1/% 逆数を計算してから
Expand[%] 展開
Remove[y]  

その他に FullSimplify[] などがありますが、 少し時間がかかります。


仮定を与えて簡単化させることも出来ます。
仮定を与えて簡単化
Sqrt[x]^2 これはすぐ簡単になる。
Sqrt[x^2] これは簡単にならない。
  $ x$ について何か仮定がないと。
Simplify[Sqrt[x^2],x<0] $ x<0$ ならば $ \sqrt{x^2}=-x$ と簡単化
Simplify[Sqrt[x^2],Element[x,Reals]] $ x\in\R$ ならば $ \sqrt{x^2}=\vert x\vert$ と簡単化

Element[x,D] の領域 D としては、 Reals ($ \R$), Integers ($ \Z$), Complexes ($ \C$), Primes (素数全体の集合) などがあります。


Mathematica は (最近では) かなり注意深い computer (計算者) です。 どうしてこういう計算をしてくれないのか?と思ったら、 理由を考えてみることを勧めます。
わかりますか?
(-1)^(2n+1) $ (-1)^{2n+1}=-1$ のはず?


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Masashi Katsurada
平成23年7月19日