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これもレポートを提出するかどうか任意(余裕がある人向けの「挑戦課題」)。
締め切りはこの講義の最終回まで。
提出方法は、
syori2@math.meiji.ac.jp (@はASCIIの@) に電子メールを送ること。
微積分の教科書を見ると、
多くの初等関数
(, , ,
, など)
の Taylor 展開が載っていますが、
の Taylor 展開が載っている本はあまりありません。
実は の Taylor 展開の一般項の係数は、
大学2年生が知っているものを使って表すことは出来ません
(ベルヌーイBernoulli 数というものを使うと表示できます)。
しかし、Taylor 展開の最初の数項を求めるだけならば、
大学1,2年生レベルの数学で十分です (素朴で良ければ、
を微分して
を求めていけば OK --
でもこれを十進 BASIC で実行するのは至難の技)。
ここでは『関数論1』で学ぶ事項を利用して計算する方法を考えてみます。
, は 全体で正則で、
() であるから、
は
で正則であり、
と Taylor 展開が出来るはずである。
これを求める ( が小さい方から の値をいくつか求める) ことを考えよう。
Proof.
であるから、
絶対収束級数について成り立つ公式
すなわち
から、
これが
と等しいので、
係数を比較して、
が得られるから、上から
次の問に答えよ。
上の公式 (1) と、
, の 0 のまわりの Taylor 展開
を用いて、 の 0 のまわりの Taylor 展開を 次の項まで求めよ。
- 十進BASICで有理数計算をするには、
プログラムの先頭付近で OPTION ARITHMETIC RATIONAL
と宣言する。
- , の Taylor 展開の係数は漸化式で計算するのが簡単だが
(これについては次回以降詳しく解説する予定)、
冪乗演算子 ^ や、
階乗を計算する関数 FACT() を用いても良い。
- 検算用に
を掲げておく。
- は奇関数なので、偶数次の項は現れない。
このことを用いると多少効率が上がるが、それはしてもしなくても良い。
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Masashi Katsurada
平成23年6月15日