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2.6 課題2C1

これはレポートを提出するかどうか任意 (余裕がある人向けの「挑戦課題」)。 締め切りはこの講義の最終回まで。

半径 $ 1/2$ の円の円周は円周率 $ \pi$ に等しい ($ r=1/2$ なので $ 2\pi r=2\pi\cdot 1/2=\pi$)。 有名なシラクサのアルキメデス (BC287?〜BC212) は、 内接正 $ n$ 角形の周の長さ $ p_n$ と、 外接正 $ n$ 角形の周の長さ $ q_n$ を考え、

$\displaystyle p_n<\pi<q_n,\quad \lim_{n\to\infty}p_n=\lim_{n\to\infty}q_n=\pi
$

をもとにして、 実際に $ n=6,12,24,48,96$ に対して $ p_n$, $ q_n$ を計算して $ \pi$ の評価を得た。

アルキメデスは $ \{p_n\}$, $ \{q_n\}$ について成り立つ漸化式 (?)

$\displaystyle q_{2n}=\frac{2 p_n q_n}{p_n+q_n},\quad
p_{2n}=\sqrt{p_n q_{2n}}
$

を用いて計算したという (現代の数学を使えば $ p_n=n\sin(\pi/n)$, $ q_n=n\tan(\pi/n)$ と表される。 これは $ \sin$, $ \tan$ の計算には直接は役立たないが、 漸化式が成立することの確認には役立つかもしれない。)。

$ n=3\cdot 2^k$ の場合、 すなわち内接・外接正 $ 3\cdot 2^k$ 角形の周長をそれぞれ $ P_k$, $ Q_k$ とおく:

$\displaystyle P_k:=p_{3\cdot 2^k},\quad
Q_k:=q_{3\cdot 2^k}.
$

このとき $ \{P_k\}$, $ \{Q_k\}$ について成り立つ漸化式を導き、

$\displaystyle P_1=p_3=3,\quad Q_1=q_3=2\sqrt{3}
$

と合わせて用いて $ \{P_k\}$, $ \{Q_k\}$ を計算するプログラムを作成し、 以下の (1), (2) に答えよ。

(1)
正96角形 ($ k=5$ の場合) を利用すると、$ \pi$ のどのような評価が得られるか。
(2)
ネットで検索すると、 内接正多角形の周長で円周率の近似値を求めた話が色々見つかる (円周率マニアは多い)。 それらの話をいくつか選んで確認せよ (正 $ n$ 角形の周の長さを用いて小数点以下○○桁の値を求めたとある場合、 本当にそれができるか -- ときどきウソが書いてある)。


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Masashi Katsurada
平成20年10月18日