「方程式を解け」という問題はしばしば現れる。 基本的で大事な方程式はその性質を学んできたが、 それ以外にも色々な方程式がある。 方程式は解が存在しても、 紙と鉛筆の計算で具体的に解くのが難しいことがしばしばある 6。 この例題の方程式もそういうものの一つで、 解がただ一つあることは簡単に分かるが (後の補足を参照)、 その解を簡単な式変形等で求めることは出来そうにない。 これに計算機でチャレンジしよう、というのが今週の例題である。
計算機で方程式を扱う場合には、 計算機ならではのやり方がある。 有限回の計算で真の解 (無限精度の解) を求めることをあきらめて、 真の解を求めるには無限回の演算が必要だが、 有限桁の要求精度を持つ解 (近似解) は そこそこの回数の基本的な演算 (四則や初等関数の計算) で 求まるような方法 -- 近似解法 -- を採用する、 というものである。 従ってアルゴリズムは、 大抵繰り返しのあるものになる。
ここで解説する近似解法は、適用できる範囲はかなり広く、 計算機を使って計算することになる人は、 今後も何度も「お世話になる」はずである。