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兄弟の関係にある「陰関数定理」と「逆関数定理」を駆け足で説明する。
どちらも
「指定された点の近くで局所的な陰関数(あるいは逆関数)が存在する」
という存在定理である。
存在定理というと、2年生にはなじみが薄いかも知れないが、
まったくの初めてというわけではなくて、
- 中間値の定理「連続関数
が
を満たすならば、 を満たす が存在する」
- 代数学の基本定理「複素係数の 次多項式
は複素数の範囲に少なくとも一つの根を持つ」
- Weierstrass の最大値定理「コンパクト集合 上の実数値連続関数は、
最大値を持つ」
という例 (どれも非常に重要) がある。
陰関数定理も逆関数定理も「関数の存在」を主張している。
証明においては、 が与えられたときに を について解く、
が与えられたときに を について解く、
と方程式の解の存在をするのが関門である。
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Masashi Katsurada
平成23年7月25日