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$ \grad F$$ F$ の値が最も急激に増加する方向である

$ \Omega$$ \R^n$ の開集合、 $ F\colon\Omega\to\R$$ C^1$ 級、 $ a\in\Omega$, $ \nabla F(a)\ne 0$ とする。十分小さい $ h$

$\displaystyle F(a+h)-F(a)=F'(a) h+o\left(\left\Vert h\right\Vert\right)$   $\displaystyle \mbox{($h\to 0$)}$

であるから、$ \Vert h\Vert$ が十分に小さいとき、

($ \sharp$) $\displaystyle F(a+h)-F(a)\kinji F'(a) h=\left(\nabla F(a),h\right) =\left\Vert\nabla F(a)\right\Vert\;\left\Vert h\right\Vert\cos\theta(h).$

ここで $ \theta(h)\in[0,\pi]$ $ \nabla F(a)$$ h$ のなす角である。

$ \left\Vert h\right\Vert$ を固定して、 $ h$ の方向だけを動かしたとき、 式 ($ \sharp$) の右辺は、 $ \theta(h)=0$ ( $ \cos\theta(h)=1$) のとき最大となり、 $ \theta(h)=\pi$ ( $ \cos\theta(h)=-1$) のとき最小となる。


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Masashi Katsurada
平成23年6月5日