常微分方程式の初期値問題の解の存在が分かったとして、 つぎに気になるのは、解がただ一つに限るかということである。
初期値問題
そこで解の一意性を保証する条件が知りたくなるが、次の定理が非常に有名である。 (しかし、応用上はその次の定理D.9 が便利なので、 もしも1つだけ覚えるならば、 定理D.9を覚えることを勧める。)
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常微分方程式の初期値問題の場合、
一意性が成り立つというのは解が枝分かれをしないことであるから、
一意性を保証するには Lipschitz 条件は局所的なもので十分であり
(つまり は全体で統一的に取れなくても構わない)、
例えば
が
級であればよいことが分かる。
すなわち次が成立する (応用上とても便利なのでぜひ覚えておこう)。
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上の例の
では、
で
は微分可能でなく
(従って
級でもなく)、
Lipschitz 条件も 0 のところで崩れていることに注意しよう。