A.5.1 スツルムの定理

実軸上の区間 $ [a,b]$ における多項式 $ f(x)$ の実根の個数に関する有名な 定理。

\begin{jdefinition}[Strum列]
$f(x)\in\mathbb{R}[x]$, $[a,b]$ を $\mathbb{R}$...
...て $f(x_0)=0$ ならば $f'(x_0)f_1(x_0)>0$.
\end{enumerate}\end{jdefinition}

この定理によって、区間 $ [a,b]$ 内に存在する $ f(x)=0$ の解を数を知るこ とができるが、二分探索の技法と組み合わせることで、解が存在する区間を好き なだけ小さくすることが出来、その区間内の適当な点を解の近似値として採用す るという近似解法ができる。これをStrum の方法と呼ぶ。


\begin{jdefinition}[符号変化の回数]
実係数多項式の列 $f(x)=f_0(x...
...号
変化したと数えることにする。
\end{itemize}\end{jdefinition}


\begin{jexample}
$+$, $+$, $-$, $0$, $+$, $+$, $-$ では $3$ 回と数える。
\end{jexample}


\begin{jtheorem}[Strum]
実係数多項式の列 $f(x)=f_0(x)$, $f_1(x)$, $\cdo...
... $[a,b]$ における解の個数は $N(a)-N(b)$ である。
\end{jtheorem}

証明. $ f(x)=0$ の解の個数は有限個である。そのうち $ [a,b]$ 内にあるものを大き さの順に並べて

$\displaystyle x_1<x_2<\cdots<x_{n}
$

とする。$ n+1$ 個の区間

$\displaystyle I_0=[a,x_1),\quad I_1=(x_1,x_2), \quad I_2=(x_2,x_3),
\quad I_{n-1}=(x_{n-1},x_n), \quad I_n=(x_n,b]
$

の合併において $ N(x)$ は定義できる。以下では
  1. 各区間 $ I_j$ において $ N(x)$ は定数である:

    $\displaystyle \exists \{n_j\}_{j=0}^{n}$   s.t.$\displaystyle \quad
N(x)=n_j$   $\displaystyle \mbox{($x\in I_j$, $j=0,1,\cdots,n$)}$

  2. $ n_{j+1}-n_j=-1$ ( $ j=0,1,\cdots,n-1$)
であることを証明する (この二つから容易に $ N(b)-N(a)=n$ が導かれる)。

$ \qedsymbol$



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桂田 祐史