内積については何度も学ぶ機会があった。 線形代数、Fourier 解析、関数解析、 微分方程式に対する弱解の方法とそれと関係の深い有限要素法、 連立1次方程式に対する CG 法、 直交関数系… 数だけ見ても重要さが分かる。 掛け値無しに重要だ。
…しかしその割に整った説明が少ないように感じられた。 数学書にある定理の証明は無駄がないが、 何をやっているのか分かりにくいものが多かった。 しかし自分でゆっくりと考えてみると、 事実や証明に鮮明な幾何学的イメージを持つことができるものばかりだった。 もったいないと思う。 後から振り返ると、 勉強の初期に藤田・黒田・伊藤 [10] を 手に取ることが出来たのは幸運だったと思う (この本の説明は素敵だ)。
というわけで、 このノートでは幾何学的イメージを大切にした説明を心掛ける。
桂田 祐史