運動する物体が空気から受ける力のうち、 速度方向の成分を抗力 (drag)、 速度と垂直の方向の成分を揚力 (lift) と呼ぶ。 抗力 は
で与えられる。ここで は空気の密度、 は物体の速度、 は物体の速さ ( )、 は物体の面積 ( 方向の断面積) であり、 は抗力係数と呼ばれる無次元量である。 は速度方向の単位ベクトルである。
これは、初歩の流体力学で学ぶ Stokes の抵抗 1とは異なっている (Stokesの抵抗は、力の大きさが速さに比例しているが、 こちらは速さの自乗に比例している)。
一方、揚力は、2次元の場合は
という式で与えられる。 ここで は揚力係数と呼ばれる。
球のような対称性のある物体には、翼のような揚力は生じないが、 回転している場合に、Magnus 力と呼ばれる 揚力 が発生する。 その場合の揚力係数は
ここで は球の半径、 は角速度、 は無次元の定数である。
ところで [11] のバグ取りを二つ。
3次元の場合の Magnus 力は、
の形だそうである。ここで は、 回転の角速度ベクトルである。 はある比例定数ということであるが、 これについては次項で説明する。