4 MacTeX 2019

過去の情報へのリンク

(2020/4/20加筆) 「MacTeX 2020」 というのを書いた。


(2019/5/1) 4月下旬から、そろそろかな?と思っていた。 ようやく MacTeX で MacTeX 2019 が紹介された。 mactex-20190410.pkg は 3751025571 バイト (2018年度の 9.7% 増し)。 古い macOS は、標準のインストールの仕方ではサポートされなくなったみたい。

  1. mactex-20190410.pkg を実行する。 古い MacBook Air で 7分弱。
    以下は基本的にターミナルでの作業。
  2. まずミラーサイトの設定をする。
    sudo tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet
    
    そうしておいて、アップデートする。
    sudo tlmgr update --self --all
    
    あれ?
    tlmgr: The TeX Live versions supported by the repository
    ftp://ftp.kddilabs.jp/CTAN/systems/texlive/tlnet
      (2016--2018)
    do not include the version of the local installation
      (2019).
    
    まだミラーサイトには来てないんですね。 多分、来るまで待つのが正しいんでしょうけれど。
    (臨時) 大本山を見に行くように設定してアップデート
    sudo tlmgr option repository ftp://ftp.tug.org/texlive/tlnet
    sudo tlmgr update --self --all
    
    15個更新されました (2019/5/1の記録)。
    98個更新されました (2019/5/7の記録)。
    今後は、 https://texwiki.texjp.org/?TeX%20Live#tlnet にあるミラーサイトを チェックしに行こう。 (ftp://ftp.tug.org/texlive/tlnet/ には、 2019/5/1付のファイルがある。 そういうファイルがミラーサイトに来たら、ミラーサイトからアップデートを始める。)

    (2019/5/7) もう大丈夫みたい。つまり次の2つのコマンドを実行するだけ。
    sudo tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet
    sudo tlmgr update --self --all
    

  3. (TeX Live Contrib Area 参照)
    次は 2019/5/1 の段階で有効だった。
    sudo tlmgr repository add http://contrib.texlive.info/current tlcontrib
    sudo tlmgr pinning add tlcontrib '*'
    sudo tlmgr install japanese-otf-nonfree japanese-otf-uptex-nonfree ptex-fontmaps-macos cjk-gs-integrate-macos
    sudo cjk-gs-integrate --link-texmf --cleanup --force
    sudo cjk-gs-integrate-macos --link-texmf --force
    sudo mktexlsr
    
    (sudo tlmgr pinning add tlcontrib '*' とすると、 /usr/local/texlive/texmf-local/tlpkg/pinning.txt に書き込まれる。)
    次もやっておくべきか (gnupg2 が必要)。
    curl -fsSL https://www.preining.info/rsa.asc | sudo tlmgr key add -
    
  4. ヒラギノ・フォントの埋め込みの設定をする。
    macOS 10.10 (Yosemite) か、それ以前
    sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-pron
    
    (hiragino-pron-pron 抜きで、 単に hiragino でも良い。以下も同様。)
    macOS 10.11, 10.12
    sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-elcapitan-pron
    
    macOS 10.13, 10.14
    sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-highsierra-pron
    
    また、細かいことだが
  5. オプショナル (個人的に pxdvi を使いたいので、古い TeX Live から持って来る。) ️
    /usr/local/texlive/2017/bin/x86_64-darwin/pxdvi
    /usr/local/texlive/2017/bin/x86_64-darwin/pxdvi-xaw
    /usr/local/texlive/2017/texmf-dist/doc/man/man1/pxdvi.1
    /usr/local/texlive/2017/texmf-dist/fonts/map/pxdvi
    /usr/local/texlive/2017/texmf-dist/fonts/map/pxdvi/xdvi-ptex.map
    /usr/local/texlive/2017/texmf-dist/xdvi/pxdvi.cfg
    /usr/local/texlive/2017/tlpkg/tlpobj/pxdvi.tlpobj
    /usr/local/texlive/2017/tlpkg/tlpobj/pxdvi.x86_64-darwin.tlpobj
    
    というファイルをまとめた pxdvi-2017.tar.gz を用意して
    sudo tar xzf pxdvi-2017.tar.gz -C /usr/local/texlive/2019
    cd /usr/local/texlive/2019
    ln -s texmf-dist texmf
    sudo mktexlsr
    
    cd texmf-dist/xdvi
    sudo cp XDvi XDvi.org
    sudo gsed 's/\(^\*font:\)\(.*\)helvetica\(.*\)/\1\2\*\3-\*/' -i XDvi
    sudo gsed 's/\(^\*statusline\.font:\)\(.*\)helvetica\(.*\)/\1\2\*\3-\*/' -i XDvi
    
    (この古い pxdvi のバイナリーがいつまで利用できるのだろう… そうそう、gsed は MacPorts を使って sudo port install gsed でインストールできます。)
早々に使えるようになった。MacTeX はかなり安定してきたと思う。

おまけ: 古い TeXLive を使うには     MacTeX 2019 をインストールしたけれど、 TeX Live 2018 に戻したいときは、 (まだ TeX Live 2018 を削除していなければ)
cd /Library/TeX/Distributions/.DefaultTeX
sudo rm -f Contents
sudo ln -s ../TeXLive-2018.texdist/Contents .
とすればスイッチできるようである。ちなみに /Library/TeX/Distributions/TeXLive-2018.texdist/Contents/Library/TeX/Distributions/.FactoryDefaults/TeXLive-2018/Contents へのシンボリック・リンクである。

スクリプト     ptex2pdf というスクリプトが提供されている。 これまで
platex -kanji=utf8 なんとか.tex
dvipdfmx -d 5 -O 2 なんとか.dvi
のようにしてきたのだが、ptex2pdf を用いると
ptex2pdf -l -od '-d 5 -O 2' なんとか.tex
とすることが出来る。


(これは相変わらず必要) 時々、 何かのトラブルで更新がうまく行かずにパッケージが強制的に除去されることがある。 それで “skipping forcibly removed package 某” と言われることがある。その場合は
sudo tlmgr install --reinstall 某
あるいは
sudo tlmgr update --reinstall-forcibly-removed --all
とすれば良い。

桂田 祐史
2020-04-20